散歩中の犬にぶつけてしまった場合の損害賠償額は?

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夕方に生じやすい犬のトラブル

なぜ夕方に生じやすいのか…う~ん。きっと夕方の方が散歩しやすいからなんでしょうね。早朝だと起きるのが辛いし、そもそも車があまり走っていませんし。

犬のトラブルとは言ってもワンワン吠えてうるさいとかそう言った苦情めいたものではありません。いわゆる犬との接触、交通事故の話です。

基本的に動物がいきなり飛び出して車と接触することは少ないのですが、車の方が対向車を避けるために無理に寄せたりすると犬を轢いてしまうことがあります。

この場合の損害賠償はどのような仕組みになるのか…これって意外と知られていないんですよね。しかも場合によっては損害賠償すら請求出来ない場合もあるんですよ。

こうなってしまうと飼い主さんにとっては死活問題ですから、泣き寝入りをしないためにも正しい知識が必要なのです。

動物の法律上の扱い

犬に限らず人間以外の全ての動物は英語で言う「it」…つまり物です。人権はあっても犬権や猫権、ハム権なんてものは聞いたことがありませんよね。

人権は唯一人間にのみ与えられた権利です。つまり犬を法律上の解釈に置き換えるなら…

  • ペットの犬=部屋に置いてある机

と同義に扱われます。

「そんな!うちの子は生きてる!」と考えるのは飼い主であるならふつうの心理です。そう、命は大切なもの。ただ法律ではなんですよ。この事実は覆りません。

そうでないとみなさんが普段口にするステーキやお寿司だって命を犠牲にしているわけですから、牛やマグロに人権に相当する権利があるのなら人類は食にありつけずに絶滅してしまいます。

犬も例外ではなく、野良犬あたりになると狂犬病のリスクを避けるために保健所で回収されて殺処分されます。しかしそれには誰も文句を言いません。

多くの人が大切に感じるのは家族同然である「うちの犬」だけであって、狂犬病の危険がある野良犬に対しては権利も何も感じないはずです。

ただし前述した通り犬は物ですから、その飼い主たる持ち主には所有権が発生します。

所有権がある以上、第三者がそれらを傷つけたとなると当然ながら賠償責任が発生する場合があります。

例えるなら自宅に置いてあるPS4なんかがそれですが、これが壊されたりすれば器物損壊罪、盗まれれば窃盗罪が適用されるわけです。

損害賠償額を取れる場合と取れない場合

万が一大切なペットが車に轢かれでもしたら…想像するだけで壮絶ですよね。

怒り、悲しみ、喪失。言葉では表しきれない苦しみがあなたを襲うはずです。

それに加えて損害賠償も請求できないとしたら。

そうならないためにも損害賠償を請求出来るパターンと出来ないパターンを知っておく必要があるでしょう。

しかもその境目は非常にシンプルであり、全ては本当の意味であなたの手にかかっていのです。

損害賠償を請求できる場合

これはあなたの手に犬のリードがしっかりと繋がれている場合です。この状態であれば飼い主の所有物が紐で繋がっている形になるため、第三者によって被害を受けた場合は器物損壊罪が適用されます。

当然ながらリードで繋がれた犬を車で轢いてしまったドライバーに対しては、それ相当の対価として損壊賠償の支払い義務が発生するのです。

損害賠償を請求できない場合

こらはあなたの手から犬が離れている場合…つまりは放し飼いの状態ですね。

よく公園で犬を自由に走らせて遊んでいる場面を見かけることがあるかと思いますが、あんなイメージです。

この状態で車に轢かれしまった場合は残念ながら損害賠償を請求することが出来ません。

あなたの手から離れて道路上に飛び出した時点で、例えそれがペットの犬であったとしても法律上は所有権の放棄された段ボールの箱が転がってきたのと同じ意味を持つようになります。

場合によっては飛び出した犬の影響で車が事故を起こした際、その飼い主に監督責任が発生することもあるのです。

ようするに「自分の大切な物は肌見放さず持っていること…それが出来ないのであればただの不注意」と見なされるのです。

しかしこれらは全て一般公道で起きた場合の話です。自宅や庭に車が突っ込んできた場合は、被害を受けた全ての物に損害賠償が発生します。