意外と知らない自転車のルール

法律上自転車は歩行者ではない

免許を取得するまで勘違いされている方が多いかと思われますが、自転車は道路交通法上「軽車両」の分類であり歩行者ではありません。広義では車両の一部であり、そこらへんを走っている自動車やトラック等と何ら変わりがないのです。

つまり自転車は車両の一部である分類上、歩道を走行することはできません。自転車が通行できるのは車道と路側帯のみです。どうしても歩道を通行したい場合は自転車から降りることで歩行者扱いとなるため、この場合は歩道を通行することができます。

余談ですが自動車は横断歩道上に歩行者がいた場合(渡ろうとしている場合)に譲る義務が発生するのですが、自転車に対しては譲る義務がありません。しかしながら自転車から降りた場合は歩行者扱いになるため、この場合は譲る義務が発生します。

自動車以上に恐ろしい自転車の賠償金

自転車は車両の分類なので、当然ながら歩行者等にぶつかってしまえば人身事故の扱いになります。たかだが数千円で購入でき、しかも免許制度のない自転車は歩行者の延長線上のようなイメージがついてしまうのですが列記とした車なのです。

以下に自転車の事故によって生じた裁判所の判例を記載しておきます。


【事例1】

  • 加害者…少額5年生の児童
  • 被害者…歩行者の60代女性
  • 事故内容…坂道を猛スピードで下り、歩いていた60代女性と衝突。被害者は寝たきりの状態に。
  • 損害賠償額…約9,500万円

【事例2】

  • 加害者…男子高校生
  • 被害者…自転車の20代男性
  • 事故内容…車道を斜め横断し、対向車線で自転車に乗っていた20代男性と衝突。加害者は障害が残るけがを負う。
  • 損害賠償額…約9,300万円

【事例3】

  • 加害者…男子高校生
  • 被害者…バイクの60代男性
  • 事故内容…信号無視で横断歩道を走行中、60代男性が運転するバイクと衝突。被害者は頭を強打し13日後に死亡。
  • 損害賠償額…約4,000万円

上記事故の共通点は、いずれも未成年者が加害者であるということです。なんとなくのイメージで罰則は成人になってからと思いこんでいる人も少なくないと思われますが、裁判所の判決では小学生に対しても損害賠償命令を下しています。

当然ながら一般的な小学生に9,500万円を支払える能力があるはずもなく、おそらくこの場合は小学生の両親が支払っているのでしょう。家族の誰かが自転車に乗るということは、それだけのリスクも一緒に伴っていることを理解しなくてはなりません。

そうは言っても生活必需品で自転車を手放せない人もいるはずです。ここで述べているのは「自転車を使うな」という意味ではなく、自転車は「運転する上で大きな責任を伴う車であること」を理解してほしいと言うことです。

自転車を狙った当たり屋も増加傾向に

近年増加している自転車を狙った当たり屋…。当たり屋自体が犯罪行為ですが、それを実証する術が自動車以上に乏しい(自動車にはドライブレコーダーが多く普及しているが、自転車ではほぼ皆無)ので裁判を起こされた場合は何かと苦労が生じます。

ほとんどの場合は当たり屋が歩道を歩き、後方から接近してきた自転車に対してわざと接触する、あるいはベルを鳴らさせることで(歩行者をどかすために鳴らした場合は違反行為になる)裁判を起こすと言われる例です。

当然ながら法律上は自転車が歩道を走ってはいけないので(例外はあるがその例外がシビア)これらに因縁をつけて金銭的なトラブルに繋げる人は残念ながら散見されるのが現状です。防衛手段としては日頃から法律順守の行動を心掛ける以外にありません。