教習項目2「自動車の機構と運転装置の取扱い」

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修了検定、卒業検定はいずれも持ち点100点の状態から始まり70点以上で合格となります。減点は5点、10点、20点があり、信号無視などの中止項目に該当すると一発不合格になります。

各種機構の説明

シフトレバー(CVT車)

ここではオーソドックスなゲート式シフトレバーにて説明します。近年では電磁式やスイッチ式、ダイヤル式など多種多様な形状があるので車種により操作方法は異なりますが意味は同じです。

  • P(パーキング)∶パナソニックではありません。その名の通り駐車時に使用します。タイヤがある程度ロックされるので安定して止まることができますが、完全ではないためパーキングブレーキによる補助が必要です。
  • R(リバース)∶後退時に使用します。クリープ現象によりブレーキを離すと車が動きだします。日本ではなぜか「バック」と呼ばれますが、世界的にはリバースが一般的です。CIE基準(国際照明委員会)による緑信号を日本では青信号と呼ぶように、島国ならではのガラパゴス文化特有の現象と言えます。
  • N(ニュートラル)∶パーキングと同様に車は動きませんが、タイヤにロックがかかっていないため車体を手で押して動かすことができます。故障時に移動させられるメリットがありますが些細な傾斜でも転がってしまうので使いどころを選びます。
  • D(ドライブ)∶前進します。クリープ現象によりブレーキを離すと車が動きだします。
  • S(スポーツ)∶アクセルレスポンスの向上及びエンジンブレーキの強化制御により、加速しやすく減速しやすい特性になります。主にアップダウンの激しい山道で活用します。反面燃費が悪くなります。
  • B(ブレーキ)∶強いエンジンブレーキをかけることでフットブレーキの負荷を軽減します。主に箱根や日光などの長い下り坂で使用することでブレーキがきかなくなるフェード現象やベーパーロック現象を予防することができます。

メーターパネル

メーターパネルは車の状態を把握する上でもっとも重要な装備のひとつです。この車の場合は中央からスピードメーター、左側にタコメーター、右側にガソリンメーターが配置されています。メーターパネルは車種ごとにキャラクター付けしやすい装備ということもあり、その形状は多種多様なものとなります。アナログではなくデジタル、フル液晶などバリエーションは様々です。

メーター内には自動車の機構に関するインジケーターを表示させる機能があり、オレンジ色は注意を、赤色は直ちに対処を必要とする警告を表します。この写真ではシートベルトを装着していないため、シートベルトの着用を促す赤色のインジケーターが作動しています(画面中央あたり)。

  • スピードメーター∶速度を表示する。デジタルタイプのメーターもある。
  • タコメーター∶エンジンの回転数を表示する。1なら1分間あたり1,000回転、5なら1分間あたり5,000回転、ガソリン車やディーゼル車の場合はもっとも加速を得意とする回転域がある。モーターは特性上エンジンとは異なり、アクセルペダルを踏みこんだ瞬間に100%の回転(約10,000回転)を発生させるため電気自動車やハイブリッド車ではタコメーター自体が省かれることもある。
  • ガソリンメーター∶ガソリンの残量を表す。電気自動車の場合は残りのバッテリー残量を表す。

タコメーターの拡大。

ガソリンメーターの拡大。画面中央のガソリンスタンドマークの横にある三角は給油口の向き。この車の場合は左に三角が向いているため車体の左側に給油口があります。

方向指示器

レバーを上に上げて左合図、下に下げて右合図を行います。先端部のつまみをひねることでヘッドライトなどを点灯させますが、2020年4月の法改正でこれ以降に発売される新車のすべてにオートライトが義務化されました。ただし法改正以前に発売、流通している中古車においてはオートライトが搭載されていない車種も現存しているので最低限の操作方法は知っておきたいところです。

とりわけ格安レンタカーやシェアカーの場合はオートライト非搭載車の比率が高いです。

ロービーム点灯状態。ロービームでは40m先を照らすことができます。通称「下向き」。オートライト点灯時のデフォルトはロービームです。

方向指示器を奥に倒すことでハイビームに切り替わります。手前に引いた場合はパッシングです。ハイビームは100m先を照らすことができます。法規上はハイビームが基本となるのですが、道交法上では「対向車及び歩行者がいた場合は下向きにしなければならない」との記載があるので、国土の狭い日本の交通事情では暗黙の了解でロービームが基本となっています。

ハイビーム作動時はホイミスライムのような青色のマークが点灯します(画面中央)。

ハイビーム点灯状態。ハイビームでは100m先を照らすことができます。通称「上向き」。

ワイパーレバー

レバーを下げることで段階的にワイパーの速度を調整できます。

  • 0∶無作動
  • 1∶間欠(数秒おき)
  • 2∶連続(低速)
  • 3∶連続(高速)

車種やグレードにより、間欠時間を調整するスイッチや窓ガラスの水滴を感知して自動的に作動するオートワイパーなどを搭載している場合もあります。

ハンドブレーキ

旧来ながらの上げて作動、下げて解除を行う方式で、手を使うことから「ハンド」ブレーキと呼びます。手を使わないタイプ(足踏み式や電磁式など)はパーキングブレーキと呼びます。シフトレバーのP(パーキング)だけでは車体の自重に負けて動いてしまう可能性があるため、基本的にどの車種においてもハンド(パーキング)ブレーキは存在します。駐車時は必ず使用します。

非常点滅表示灯(ハザードランプ)

その名の通り、事故や故障などの「非常事態」で使用する装置です。日本だけ特殊で駐車時に使用する場合もあります(あくまで緊急時のみなので道交法上の義務ではない)。

エアコンパネル

エアコンパネルは直感的に理解できるよう基本的にイラストや数字のみで表記されています。

  • A/C∶冷房と除湿機能を使用する場合はONにします。コンプレッサーを必要としない暖房時はOFFの状態でも使用できます。
  • デフロスター∶デス・スターみたいで名前だけカッコいいです。ドライヤーの原理でフロントガラスの曇りを除去する働きがあります。デフロスターのみに除湿機能はないのでA/Cと併用する必要があります。
  • リアデフォッガー∶電気コンロの原理で熱線を温めリアガラスの曇りを除去します。電熱線なのでエアコンを使用しません。

デフロスターのスイッチ(右下クラゲマーク)。作動時はA/CをONにします。画面中央の内気循環スイッチを押すことでフロントガラスの曇りを効率的に除去できます。

リアデフォッガーのスイッチ(画面中央四角いクラゲマーク)。こちらは単体で使用可能。

アクセルペダル、ブレーキペダル

画面右側がアクセルペダル、画面中央がブレーキペダル、画面左側が左足を置くためのフットレストです。

合格へのポイント

使いこなすことでスムーズな運転に繋がる

運転装置の取扱い方法自体には特出した減点はありませんが(エアコンが使えなくても減点ではない)、必要な場面において操作ができない(ハンドブレーキを下ろせなくなるなど)と減点に繋がる可能性があります。運転装置の取扱い方法はいずれも「最低限知っておくべき知識」であるため、万が一の際に使用方法が分からなくて困らないよう理解を深めることが重要です。

車種によって取扱い方法が大きく異なる

この項では教習車として実績の多いトヨタ・カローラアクシオ(後期型)を取り上げていますが、教習所によってはトヨタ・プリウスやマツダ・アクセラ、ホンダ・グレイスなど異なる車種を採用しているケースも多々あります。いまだに「走るテトリス」「軟弱地盤(サスペンションが柔らかすぎる)」の異名をもつトヨタ・コンフォートを使い続けている教習所もあります。

例えばプリウスにおいてはシフトレバーが電磁式なので使用方法が大きく異なります。教習車の車種が教習中に変更されることは稀ですが(一部教習所では高速教習で異なる車種を使用するケースもある)、機能自体はどれも同一であるため一度覚えてしまえば困ることはほとんどないでしょう。