プリウス教習車が激減した致命的な理由(画像あり)

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大量発生と大量絶滅を経験したプリウス教習車

90年代後半から2000年代前半にかけては教習車と言えばコンフォートというイメージがありました。正式名称は「トヨタ教習車用コンフォート」。タクシーのクラウンコンフォートと目た目が同じなのでさぞクラウン系統かと思いきや実はマークⅡ系統です。クラウンではありません。

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長らくタクシーのベース車だったこともあり、1995年の登場から2018年の絶版に至るまで述べ23年間も販売され続けていた御長寿モデルでもあります。でもさすがに今の時代となっては古さが否めないデザインです。ダサい、いらない、カッコ悪いの3要素を備えた負の帝王的な存在です。

そのため2010年代からは当時圧倒的な人気を誇っていたプリウスに目が向けられるようになります。その話題性と燃費の良さから各教習所がコンフォートからの一斉入れ替えを始めたのです。あっという間に全国の教習車はプリウスだらけになってしまいました。

しかし2021年現在、各教習所の教習車を観察しているとカローラアクシオ、マツダアクセラ、ホンダグレイス、かろうじて生き残っているコンフォートの4車種が代表的です。一時期大量発生していたプリウスはほぼ絶滅状態になっています。なぜこんなにも極端に減ってしまったのでしょうか。

故障が多発してまともに稼働できない

プリウスは言わずと知れたトヨタの看板車種です。トヨタの車は壊れにくさに定評があるので日常的に乗っていて壊れることはほとんどありません。

そう…これは日常的に乗ったらの話。

かつてトヨタディーラーのスタッフがこれら故障の原因について話してくれたことがあります。

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「プリウスは縦の振動に弱いんですよ」

そうです。

プリウスは縦の衝撃に弱いという教習車として使うには致命的な弱点を持っていたのです。教習車はその用途から1日に何度も縁石に乗り上げます。コンフォートは50万キロ走行でも耐えられるようにあえてスポット溶接を減らしたりなどの対策が取られていますがプリウスはそうではありません。

いわば電子機器の塊なのでそもそも教習車のようなある意味過酷な環境で走ることを想定していません。宅配便で輸送中のPS4が振動で壊れることはありませんが縦に落とせばすぐに壊れます。縁石への乗り上げは車にとって相当な負荷(車体も重たいので)がかかるのです。

これはプリウスに限った話ではなく他メーカーのハイブリッドカーにも同じようなことが言えると思います(グレイスは大丈夫なのか?)。逆に言えば長距離移動を目的としたコンフォートの堅牢性が異常だっただけで、特別プリウスが故障しやすいわけではないのです。

結局は向き、不向きの問題であり、話題性だけを重視してプリウスを採用した結果に生じたひとつの現象なのだと思います。