安全性を追及したデザイン
現在の自動車において最も使用されているタイプのウィンドウスイッチがコチラ。
きっと誰もが見たことのある一般的なウィンドウスイッチがこの形状であると思います。ごく一部の例外としてレバー式などもありますが基本的に今の車はこのタイプを採用していると言っても良いでしょう。使い方はスイッチ先端部を押して窓を開く動作、引いて窓を閉じる動作となっています。
今でこそ当たり前の話ですが、実は20年ほど前の自動車におけるウィンドウスイッチはこれとは別の形状であったことをご存知でしょうか?おそらく1990年代は後述するタイプの旧型スイッチが主流でした。ではなぜ旧タイプのスイッチは衰退していったのでしょう。
事故の絶えなかった旧型スイッチ
もったいぶらずに記載するとかつて主流だったパワーウィンドウスイッチはコチラです。
いわゆる「シーソータイプ」と呼ばれる形状ですね。こちらのスイッチは両サイドが押すタイプのスイッチになっています。基本的には奥に押すと「開く」動作、手前に押すと「閉じる」動作を行うことが出来ます。実はこの形状に大きな問題を抱えていたんですよ。
この形状のスイッチに何の問題があるかと言うと、子供が窓から顔を出した際に体を支えるためにアームレストに手を置きます。(そもそも危険なので窓から体を乗り出してはいけませんよ!もしお子さんが窓から顔を出したら「危ないよ!」と注意してあげましょう)
このとき不運にもウィンドウスイッチの「閉」ボタンに手が置かれてしまった場合、体の重さによってスイッチを作動させてしまい、動き出した窓に頭や首を挟まれてしまうのです。パワーウィンドウは電動式なゆえに力が強く最悪の場合首の骨が折れてしまうこともあるのです。
実際にこれによる死亡事故が多発した為、メーカー側は改善の必要性に迫られ現在のような形状のスイッチにシフトしてきた経緯があります。現在採用されている形状なら意図的に引く動作を行わないと窓が閉じることはありませんから、誤作動による事故を防ぐことが出来ますよね。
このようにデザインはただ単に見た目だけの問題ではなく、こうした安全性能も盛り込まれて設計されていることが多いんですよ。