法定速度とは
法定速度とは標識や標示によって制限速度が標示されていない場合の上限速度のことです。法定速度は一般道路と高速道路(高速自動車国道及び自動車専用道路)で異なります。
一般道路
60キロと30キロの2種類です。法定速度が30キロとなっている車種は原動機付自転車(以下原付)のみですから、それ以外の車両はすべて60キロと覚えておいて良いでしょう。従って一般道路における法定速度の覚え方は「原付以外は60キロ」というイメージです。試しに以下のような例題を出してみましょう。
正解は×です。
比較的出題傾向の多い問題ですが上記の覚え方が頭に入っていれば簡単だと思います。原付以外は60キロが正解ですから、原付以外で50キロという単語が出てきた場合はその時点で×をつけることが確定となります。大型という文字を見てしまうと遅く走っているイメージがありますが典型的な引っ掛け問題です。
高速道路(高速自動車国道)
高速自動車国道とは首都高速道路を除く一般的な高速道路のことです。車線数も多く見晴らしも良いことから日本国内では最大級の速度が出せるイメージで良いでしょう。しかしながらその速度も無制限ではなく車種によって異なります。教科書を見ると絶望的な情報量ですが実は覚えるのは簡単です。
- 100キロは主に人を乗せる車
- 80キロは主に荷物を載せる車
これだけ覚えてしまえば以下のような問題が出題された際に戸惑わなくて済むはずです。
一度に複数の車種が出てくると混乱しやすくなるので、まずはこの問題に出てくる車種を整理しておきましょう。
- 普通乗用自動車(一般的な乗用車)=人を乗せるから100キロ
- 大型自動二輪車(大型バイク)=人を乗せるから100キロ
- 普通自動二輪車(普通バイク)=人を乗せるから100キロ
- 大型貨物自動車(大きいトラック)=荷物を載せるから80キロ
- 大型乗用自動車(大きいバス)=人を乗せるから100キロ
- 中型貨物自動車(中くらいのトラック)=荷物を載せるから80キロ
この場合、大型バスは荷物ではなく人を乗せて走行するので法定速度は100キロとなります。実はこの問題は合格率が非常に低く、「大型」という文字を見てしまうと無条件で遅く感じてしまうので80キロ枠だと捉えてしまう人が多いのです。ですから教科書のイラストはあまり参考になりません。
一方で荷物を載せる大型貨物自動車の法定速度は80キロです。
自動車専用道路
いわゆる首都高速道路のことです。首都高速道路は川を埋め立てて建設している箇所も多いため、一般的な高速自動車国道と比べて起伏が激しく急カーブが多いことが特徴です。そのため最高速度は一般道路と同じく60キロまでとなります。かつて川であった由来は以下の記事で紹介しています。
規制速度
規制速度とは標識や標示によって制限速度が指定されている上限速度のことです。記載されているキロ数をこえなければ良いので覚え方は難しくありません。ただし原付の法定速度は30キロですので、たとえ50キロの規制標識が標示されている場合でも原付は30キロをこえて運転することができません。
法定速度と規制速度はどちらが優先される?
道路によっては法定速度のキロ数をこえた標識が設置されていることがあります。例えば一般道路で70キロ、高速道路で120キロといった具合です。この場合は一般道路の法定速度60キロ、高速道路の法定速度100キロをこえてしまいますが、あくまで標識がない場合の上限速度なので標識がある場合は標識が優先されます。
従って一般道路であっても70キロの標識が設置されている場合は70キロまで速度を出しても速度違反にはなりません。しかしながらこのようなシチュエーションは全国的にも見かける頻度が少ないため、いざこのような場面に遭遇してしまうと非常に混乱しやすくなります。あらかじめ知識として覚えておくようにしましょう。