需要の減り続けるMT車
2018年現在、日本の道路を走行するAT車の割合は97.8%を更新し、AT限定免許取得者がMT免許取得者の数を大きく上回りました。
大型トラックや大型バスの世界においてもAT化が進み、このままの水準で進むといずれMT車は絶滅するのではないかとさえ思えてしまいます。(海外ではまだ構造がシンプルなMT車が現役ですけどね)
MT車が激減した理由として、簡単に表現するのなら「使う機会がなくなった」と言う感じでしょうか。今の時代、世界一速い車も世界一燃費の良い車も全てAT車です。
その上大量生産の原理でAT車よりもMT車の方が数万円ほど高くなっています(マツダ・アテンザクラスで8万円ほど高い)。一昔前までは「MT=安い」と言ったイメージだったのに、時代は変わるものです。
MT車をなくした方が利益率が上がる
この傾向は繁忙期(教習所が史上最強に混みあう2月~3月)において特に顕著になります。
繁忙期に入ってしまうと2カ月以上先の予約が全然取れず、挙句の果てにはキャンセル待ちで乗れるかどうかも分からないくらいに車が足りないのに、コース内を見渡すとチラホラとMT車が止まっていたりします。
ようするに「AT車に乗りたい教習生は一杯いるのに教習車が足りず、MT車は取りたい人が少ないから教習車が余ってしまう。」と言った現象が発生しているのです。
もしこれらのMT車がAT車であったのなら、もっと多くの教習生が教習できたのだと思いますし、教習所側にとっても稼働が増えて売上が向上するのでお互いにメリットがある関係であると言えるでしょう。
ですからこうした観点から見れば、「たった数%のMT車を教習するよりも圧倒的多数であるAT車に絞った方がロスが少ない」と考えることは至って普通の流れなのです。
もしかしたら近い将来、それこそ向こう5年間くらいの間に「AT限定自動車教習所」なるものが誕生するかもしれません。
そうなった場合、本当に仕事でMT車が必要となった人たちは、かなり限られた場所で免許を取得しなければならなくなりそうです。