駆動方式による特性の違い(画像あり)

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駆動方式とは

アクセルを踏んだ際に自力で回転するタイヤを駆動輪と呼び、その駆動輪の位置関係を駆動方式と言います。

チョロQのようにプルバックすると後輪が回転するものや、自転車のようにペダルを漕ぐと後輪が回転するものを後輪駆動と呼びます。

ちなみに前輪にペダルがついている幼児向けの三輪車は前輪駆動です。

駆動方式は車検証を見ることで確認することができ、この場合は以下のようなアルファベットで表記されます。

代表的な駆動方式

FF

  • 【略称】(フロントエンジン・フロントドライブ)
  • 【特徴】室内スペースを広く確保出来る
  • 【採用車種】プリウス、アルファード、セレナなどの国産車ほとんど

自動車前方(ボンネット内部)にエンジンが搭載されている前輪駆動車です。後輪を回すための機構(プロペラシャフト)が必要ないので室内を広く設計することが出来ます。

日本では性能よりも移住性を求める傾向が強いので、セダンやミニバン含むほとんどの国産車種でFF方式を採用しています。

FF車の後席

FR

  • 【略称】フロントエンジン・リアドライブ
  • 【特徴】操縦安定性に優れる
  • 【採用車種】クラウン、フーガ、メルセデス、BMWなど

自動車前方(ボンネット内部)にエンジンが搭載されている後輪駆動車です。

前輪がハンドルによる舵を、後輪が動力を伝達するため、一般的な前輪駆動車よりも走行性能に優れる傾向があります。

一方で前方のエンジンから後輪に動力を伝達するためのプロペラシャフトを配置する必要があり、特に後席真ん中の足元スペースはかなり狭くなります。

走行性能にウエイトを置くスポーツカーや一部高級車に見られるレイアウトです。

FR車の後席

RR

  • 【略称】リアエンジン・リアドライブ
  • 【特徴】加速時のトラクション性能(踏ん張り力)に優れる
  • 【採用車種】ポルシェ、バス、デロリアン(絶版)など

エンジンがトランク部分に搭載されている後輪駆動車です。世界的に珍しいレイアウトであり、採用している車種はごく僅かになります。

車は特性上、加速時において後方に荷重が移動します。後ろが重たいRRレイアウトでは加速時に最大のグリップ力を発揮するため、ポルシェのような生粋のスポーツカーメーカーには好まれる傾向があります。

逆にエンジンを後方に搭載した前輪駆動車は存在しません。後ろが重たいリアエンジン車では加速時に前方が浮き上がってしまい、前輪では効率良くグリップ力を発揮出来ないためです。

MR

  • 【略称】ミッドシップエンジン・リアドライブ
  • 【特徴】最適な重量バランスによるハンドル応答性の良さ
  • 【採用車種】MR-S(絶版)、ビート(絶版)など

エンジンをシートの後方に配置する都合上、ほとんどが2ドアクーペでの採用となります。(4ドアだとエンジンの位置がかなり後ろに下がってしまう⇒ほぼRR)

派生としてエンジンを前方に搭載したFM(フロントミッドシップ)レイアウトもあります。ただ需要があまりにも少ないですが。

AWD

  • 【略称】オール・ホイール・ドライブ
  • 【特徴】四輪駆動による高い悪路走破性をもつ
  • 【採用車種】レガシィ、ランドクルーザー、アウディ

国内においては一昔前まで4WDと称していたものです。レガシィランカスターがアウトバックにフルモデルチェンジしたことを皮切りに、日本においても世界共通名称のAWDという名称を使い始めました。

アクセルを踏むと4つのタイヤが全て動力を伝達するため、雪や未舗装路面において優れた走破性能を発揮します。

優れた安定感と引きかえに、燃費性能が若干落ちる傾向が強いです。

日本において圧倒的シェアを誇るFF車

日本では走行性能よりもユーティリティー(室内の広さや使い勝手)が求められる傾向があるので、そこらへんを走っているほとんどの車がFF車(前輪駆動)です。

売上上位を占めるトヨタプリウスやカローラ、アルファード、日産ノート、セレナ、ホンダフィットなども全てFFレイアウトを採用しています。

価格的にもプロペラシャフトを必要としない構造(かと言ってシンプルでもありませんが)であるため、一般的なFRレイアウトと比べると価格を抑えられるメリットもあります。

一方で走行性能に重きを置くドイツ系の車はFRレイアウトが主流(アウディを除く)です。

日本では車を「財産」として捉えることが多いのですが、ドイツでは「道具」と言う概念が強いためにユーティリティーよりも走行性能の方が大切にされるからです。

このように国が変われば求められる車の性質も変わってくるため、今販売している車はその国のトレンドを表していると言えるのかもしれませんね。