多くのCVT車で採用される「B」表記
CVT車はAT車の一種ですが、AT車と異なり複数のギアが存在しません。
通常AT車でエンジンブレーキを活用したい場面に使用するのがセカンドギア、ローギアですが、CVT車にはこのような表記が存在しないのです。(そもそもギアがないので)
代わりにCVT車では写真のようなBを選択することで、エンジンブレーキ強化モードを発動させることが出来ます。ちなみに参考車種はトヨタ・プリウスです。
CVT車で長い下り坂をくだる場合は、Bを選ぶことでエンジンブレーキが強くかかり、フットブレーキを踏まなくても一定の速度を保てるようになります。
B表記は誤発進のもと!?消えぬ暴走事故
ニュースで見かける話題の中で、ときたま「アクセルとブレーキを踏み間違えた高齢者が車でコンビニに突っ込む!?」なんて見出しが飾られていたりします。
しかもこのような事故は「稀に」ではなく「継続的に」発生している重大事故なのです。
今の時代……自衛隊員よりもコンビニ店員の方が命懸けと言われる揶揄はここからきているのだと思われます。
しかしこれらの事故の中には単純にアクセルとブレーキを踏み間違えたのではなく、バックだと勘違いしてアクセルを踏んでしまった例もあるのです。
さきほどの写真のシフトレバーを見てもらうと分かりますが、日本では車が後ろに下がることをバックと呼ぶ風潮が強いですよね。
高齢者を中心として、この「B」表記を「バック」だと勘違いしてしまい、思い切りアクセルを踏んでしまう事例が発生しているのです。
本人はバックだと思いこんでいますからそれはもうパニックですよ。
あわててブレーキを踏んでも間に合わず…そして突っ込んだ本人は「車が暴走した!」とか言い出すわけです。
まるで「パソコンが壊れた…何もしていないのに…。」と同ジャンルの話ですね(笑)
これは完全にB表記の認識を間違えた本人のせいですが、メーカー側もあえて誤解を招くような「B」表記ではなく、従来のATと同一の「L」表記で良いのではないでしょうか。
これはガソリンスタンドにも言えることですが、軽油の表記をディーゼルにすれば「軽自動車には軽油」と言った壮大な勘違いを防ぐことが出来るかもしれません。
まぁこれに関しても間違えた本人のせいであることは変わりないのですが、その方が(表記を分かりやすくした方が)より優しい世界かと筆者は思うわけですよ。