バックモニターの死角(画像あり)

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バックモニターとは

簡単に言うと「目に見えない部分をカメラを通してモニター越しに車内で確認できる装置」のことです。何しろ車は死角が多いですからね。スケルトンボディでもない限り感覚に頼らざるを得ない状況も出てくるんですよ。ただこの感覚を掴むのが苦手で駐車時に壁に激突してしまうドライバーも発生しています。

今では新車購入時にナビとセットで販売されていることも多く、車の装備品の中でもドライブレコーダーと並んで人気の高いことから雑誌などでもメジャーな装備の代表例として挙げられることが多いです。しかしながらこのバックモニターの意味を正しく理解しないが為に生じる事故も少なからず起きています。

実は死角を補う為のバックモニター自体が大きな死角を生み出していることをご存知でしょうか?それがこの2つ!

  1. 視覚的視覚
  2. 潜在的死角

視覚的死角は目に見えない部分の死角…いわゆる壁の向こうは見えない原理と同一です。もうひとつの潜在的死角はそもそも探そうとしない心の死角…「ここはいつも車が来ないから今回も来ないだろう」と言ったようなただの怠慢です(笑)亜種で「だろう運転」があります。

そもそもバックモニターは名前の通り車の後方を映し出すモニターのことを指します。いいですか?後方ですよ!誰も斜め後ろとは言っていません。視野角が広く、広域的に映し出すモニターはバックモニターではなくアラウンドビューモニターと呼ばれる全くの別物です!

バックモニターが生み出す致命的な死角

まずはこちらをご覧下さい。

ごくごく一般的なバックモニターですよね。しか~しよく見ると視野角は隣の車の一部分を映し出すのが精一杯です。バックモニターはそもそも後退時に接近する壁との距離感を映すものであって横から来る歩行者や自転車を発見するようには設計されていません。

だけど中には「バックモニターだから確認作業はモニターだけ見ればいい」って勘違いする人も出てくるんですよ。これは日本語の良いところだけを都合良く解釈した一例ですね。この場合は前述した潜在的死角が発動し、自分の意思で目視を行わない危険な状態に結び付きます。

なぜバックモニターに頼るのか危険なのか?それを図解してみましょう。

図1はバックモニターに映し出される範囲です。投影範囲を増やす為に若干ですが広角化されています。しかしながら赤い線の外側に関しては直接目で視認しない限り確認することはできません。いわゆる死角ってやつです。つまりこの範囲外から何かが接近しても気がつかないのです。

図2は実際に歩行者や自転車が接近してきた場合のシチュエーションです。左側の自転車についてはこの時点でも発見できていません。右側の歩行者はこの位置まで来ることでかろうじて確認することができます。それでもモニターの端に映るかどうかくらいですよね。つまり何が言いたいのかと言うと…

バックモニターに対象物が映った時点でもう遅い!

ということです。バックモニターはあくまで補助であり、メインは人の行う「目視」以上に有効な策はないと考えておきましょう。計算力においては機械の方が人間よりも遥かに優秀なのは確かですが、咄嗟の融通においては人の方が優秀であることも時にはあるんですよ。

それは自動運転がなかなか実現しない事情と同じなのではないでしょうか。