インフラが性能に追い付いていない!
う~ん、これは非常に難しい問題ですねぇ。しかし走行性能に関しては凄いの一言です!
これまで日産リーフ、ノートePower、三菱iMIEVに試乗させて頂く機会があったのですが、それはもう度肝を抜かれる経験ばかりでしたよ。
まずは加速性能。例えるならジェット機です!いや、本当に(笑)
最初は先入観で「電気自動車って遅いんじゃないの?」って思っていたのですが、アクセルをちょこっと踏むだけでもキュイイーーーーン!っとスムーズに加速するわけですよ!
わたくし、モーターを甘く見すぎていました。そりゃ世界最速を誇る新幹線なんてよくよく考えてみれば電気で動きますしね。
山手線だってラッシュ時は乗車率200%になりながらもそれで電車が動かなくなると言ったようなことはありません。むしろ何事も無かったかのように普通に発進します。
そう、電気は非常にパワフルなのです!
モーターはエンジンとは異なり、動力源となる電力を流した瞬間に最大トルク(力強さ)を発揮します。
エンジンはある程度回転させないとパワーが出ませんから、常にMAXパワーを発揮できるモーターは加速に強いのです。
おそらく電気自動車の技術を熟成させれば、そのうち世界一速いガソリン車の記録を打ち破ると思いますよ。世界一速い電車みたいに。
ただ性能は凄く良いのにインフラが整っていないことが残念ですね。電池の持ちもせめて1度の充電で300km程、充電時間も5分くらいに短縮できれば実用域でも問題なく使用できます。
現段階では長い充電時間、短い航続距離、そして電池残量がなくなってしまった場合の恐怖を考えるとなかなか手が出るものではありません。
しかしそんなことはガソリン車も同じ。かつては今の電気自動車みたいに「ガソリンがなくなったらどうしよう!」と考えられていたわけです。
それが今では「給油すればいいじゃん」ですよね。つまりガソリンの場合はどこでも給油出来るインフラが整備されているからこのようなことが言えるのです。
もし電気自動車用の充電スタンドが現在のガソリンスタンド並に整備されていたのなら「電気がなくなったらどうしよう?」と聞かれても「充電すればいいじゃん」って流れになると思います。
電気自動車の普及は行政の本気度次第
三菱自動車から世界初の量産型電気自動車「iMIEV」が発売されてからしばらくのあいだ、ある所からの発注が続けて行われていました。
そのある所というのが神奈川県警察。なぜかこの時期の神奈川県はEVの取り入れに積極的であり、iMIEV発売当時の充電スタンドの数は東京を抜いてぶっちぎりのトップだったんですよ。
実際に横浜赤レンガあたりから山下公園に向かうまでの道にもいくつかの充電スタンドがありますし、すれ違いざまにiMIEVのパトカーを見かけることもあります。
しかも電気自動車を購入する際の補助金も全国トップ!つまり電気自動車を購入するときは神奈川県で買った方がお得だったのです。
当然インフラが整えば電気自動車を購入するユーザーも多くなります。
逆にこうした動きを全く行わない自治体もあるわけですから、そういった所で電気自動車が選択肢に入ることはまずないでしょう。
今後の主流は電気自動車?
前述した通り電気自動車の普及にはインフラの整備が絶対不可欠な為、行政とメーカーが一丸となって取り組まない限り実現しない問題です。
しかしいずれはガソリンエンジンにも終焉が訪れます。ガソリンは石油がなければ精製できませんが、発電には石油がなくても他の手段があります。
それに石油はガソリン以外にもプラスチックの原料になったりと様々な使い道がありますからね、ガソリンだけに需要を集中するわけにはいかないんですよ。
しかしながら行政はなぜか水素を動力として動く燃料電池車(つまり水素自動車)の普及に力を注いでいるそうです。
おそらく日本近海に埋まるメタンハイドレートをどうにかして掘り出して、次世代エネルギーの主軸にしたいんじゃないでしょうか。
そうすればこれまで石油を買い続けてきた日本が逆に水素を資源として輸出することができますからね。利権的には見逃せない存在であることは確かです。
ただ車に水素ガスを積んで走るのは何かと大変なことが多いと思います。
まずは水素タンク!大きければ大きいほど搭載できる水素量は増えますが、それに比例してタンクも大きくなるのでトランクを圧迫する。
それに何らかの衝撃が加わった際にバルブが外れて後ろからプシューーーー!!!なんて音がしたら絶望しか感じません。
それならバッテリーを積んで充電して走った方が無駄がないように思えるのは私だけでしょうか?
ただ水素も全く使えないわけではなく、例えばスタンドにおける発電は水素を使い、その時発生した電力を電気自動車に繋いで充電すればいいんじゃないかと思います。
他にも家庭用に水素タンクを供給すれば自宅でも充電ができますしね、何より水素は安い!ガソリンと違って無限に精製されますから、資源がなくなる心配もありません。
本来ならガソリンスタンド以上にコンセントはどこにでもあるわけですから、電気自動車の技術革新も含めて今後が期待できる存在であることに間違いはないでしょう。