教習以外の業務
教習所はもちろん教習がメインであることに間違いありませんが、それらをサポートする配車係や検定係、修理を行う整備係など、教習所を維持するためには多くの人員が必要になるわけです。ジャンボジェットだって管制塔がなければ円滑に飛ぶことすら出来ませんよね?
つまり配車係が飛行場で言うところの管制塔の役割をもち、整備係がいるおかげで安心して教習車を利用できるわけです。これらの作業を指導員が行う教習所もあります。大雑把に内容を並べてみました。
指導員資格共通
- 技能教習(四輪や二輪など)
- 学科教習
- 適性検査
- 各種講習(初心者講習や取得時講習、高齢者講習など)
- 検定業務
その他の仕事
- 事務仕事(配車、検定準備、受付、入所式準備、卒業式準備、イベント準備、各種資料製作、講習補助など)
- 送迎業務
- 入所式
- 卒業式
- 清掃業務
- 整備業務(車検やオイル交換など)
- 施設内管理
いや…もっとあるんですけど正直これ以上挙げてもキリがありません。しかしこれだけ見てしまうと「うわっ、教習所の指導員ってやること多すぎてヤバイな!」って感じてしまいますよね。ただ実際はこれらをすべて受け持って仕事をしている人は少なく、何かの作業に特化して仕事をしている人が多いです。
例えば過去に整備士として働いていた人は整備を担当し、事務仕事に長けていた人は事務仕事をまかされます。あとはたまに教習って感じ。人には得意、不得意(向き不向き)がありますから適材適所に指導員を配置したほうがその道に特化できる…そんな感じでしょうか。
教習業務で一番大変なこと
ズバリ間違いが許されないことです。教習所で行う仕事はすべて法律が絡んできます。本来国が発行する免許証を民間である教習所(自衛隊などの一部除く)が委託されている形態になるので、指導員が押すハンコのひとつひとつに日本国の権限が働くのです。
例えばですけど実技試験中の検定車両に対し、何らかの形で妨害した場合はどうなると思いますか?
答えは「公務執行妨害」つまり犯罪行為として検挙することが可能になります。それだけ教習所における公務性は強いってことなんですね。逆に言えば日本国と同じ権限が発動できる反面、失敗が許されないということになります。何せそれで免許が発行できてしまうわけですからね。
つまり相当な責任をもって業務にあたらなければならないのが教習指導員(検定員)と言う職業です。「ただ隣に乗ってるだけで楽そうだなぁ~」と思うのは大間違い!資格を取るのも非常に大変なので、どうしてもなりたいって人以外には勧められない仕事ですね。