発炎筒の規格(画像あり)

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発炎筒とは?

自動車に積んでおかなければならない携行品(日本興業規格、いわゆるJIS)のひとつです。事故や故障が生じた際、或いは踏切内で動けなくなった際に他者(車や電車含む)に自分の存在を知らせる為に用います。イラストで書くと以下のような形をしていますね。ほとんどの車の場合は助手席足元に取り付けられていることが多いです。本体色は赤色、側面には有効期限が記載されています。

発炎筒には大きく2種類あり、かなり昔から採用されている「発火タイプ」と、電池があれば繰り返し使える「LED式」があります。両者にはそれぞれ異なるメリット、デメリットがあるためよく考えて選ぶようにしましょう。(車購入時において、ほとんどの場合は発火式が取り付けられています。)

発火式の特徴

  • 使用する際はマッチの容量で火薬(蓋部分)と本体をこすり合わせて使う。
  • 使い捨てである。
  • 先端部を中心に600℃前後まで発熱する。
  • 火薬を使用するため有効期限がある。
  • 価格が安い。

LED式の特徴

  • 本体に取り付けられたスイッチを押すことによって使う。
  • 有効期限がなく、電池がもつ限りは何度でも繰り返し使える。
  • 電池の寿命に留意する必要がある。(長期間保存による液漏れ等)
  • LEDのため発熱がほとんどない。
  • 価格が発火式に比べて割高である。

どちらも一長一短ですが、基本的に発炎筒は緊急時に使用するものであるため、なるべく使わなくて済むように心がけることが重要です。

そのためLED式の「何度でも使える」はメリットになりにくく、乾電池の寿命も留意すると使い勝手が良いのは発火式ということになります。(電池は開封前は長期保存が可能だが、一度取り付けてしまうと常に放電するため。又、緊急時に新品の乾電池に交換する手間もかけられない。)

発炎筒の発火の様子(発火式)はこのような感じです。LED式の場合は先端突起状の部分が灯台のように点灯します。法律における発炎筒の規格は…

  • 5分以上の燃焼時間
  • 赤色の炎(光源)
  • 160カンデラ以上の光度

となっており、これらを満たせば光源はどれでも構いません。

余談

実は発炎筒には事故以外にも利用価値があります。

使える環境は限られますが、川辺などを歩いている際、野性動物からの襲撃を受けた場合に使用することで威嚇の効果がある場合があります。ちなみに効果があるのは使用時に凄まじい音と熱の出る発火式のみです。

万が一山で遭難した場合も、救援隊のヘリが近づいてきたところで発炎筒を使えば、発見される確率が高くなります。

この場合ただ発炎筒を上に掲げるだけではなく、円を描くように(自然界にはない人為的な動きをすることで)動かすことで発見率を高めることが可能です。このように威嚇が目的ではない場合、音の出ないLED式でも効果があります。

しかし発火式の場合は先端部を中心に600℃前後の熱が出ることから火災の危険性があるため、周囲に燃えやすいものが広がっている環境下では使用できません。

特に地面に枯れ葉などが溜まる紅葉の季節は使いづらいですね。前述した通り600℃前後の熱ですから、手に持っていると熱すぎていずれは地面に置くはずです。

それで何かに燃え移ってしまえば遭難者ではなく犯罪者になってしまう可能性があるので気を付けましょう。

ちなみに某有名恐竜映画(ジュラ○ックパーク)でもこの発炎筒がやたらと活躍する場面があります。

主人公たちがティラノサウルスを誘導する際に使っているのですが、まるで手にスーパーアーマーでもついているかの如く発炎筒を振り回します(笑)

こんなことをしたら普通は火傷をします。恐らく彼らは人間ではなく、全身を強化外骨格で覆われたサイボーグか何かであると考えた方が良いでしょう。