11月なのに繁忙期?全然予約の取れない教習所

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11月に入所制限を設ける教習所

私が以前働いていた教習所でも現在入所制限を行っているそうです。通常ならコース内を走る教習車の数よりも鳥のほうが多い11月。何もやることがなくてゴミ拾いをした日々が懐かしいのですが、今年の11月はどうやら状況が異なるみたいです。何やら予約がほとんど取れないくらい激混み状態だとか…。

去年は緊急事態宣言下における営業自粛により、数ヶ月間営業をしていない時期があったのでそれ以外の月で人が集中した感じはありました。今年はそれ以上の勢いで入所者数が殺到しているのでいわゆる「空いている時期」がなかった希有な事態と言えるでしょう。

なぜこれほどまでに教習所が混んでいるのか…。これが分かったことによって何かが解決できる話ではありませんが、今現在教習所に通っている方、これから教習所に通おうと思っている方双方にとって何かしらの対策が取れるようなアドバイスをしていきたいと思います。

今教習所が混んでいる原因

おそらく新型コロナウイルスの影響は間違いなく受けていると思います。コロナ禍以前は教習所業界に目立った動きはなく、繁忙期と閑散期のメリハリも非常に分かりやすいものでした。この流れが変わってきたのが緊急事態宣言下における営業自粛期間の発生です。

この数ヶ月間の営業自粛時に本来免許を取得できる層が免許を取得できず、営業自粛後一時的に教習生が殺到したことを発端に予約枠が少なくなり始めました。新型コロナウイルスへの感染リスクから公共交通機関ではなくマイカーで通勤、通学を行う層が増えたことも追い打ちになったと言えるでしょう。

そもそも予約が取れなくなるメカニズムは単純に人がたくさんいるからではなく、予約の過剰取得分が発生してしまうことにあります。これはオイルショックや震災需要と同様に「何かが足りなくなる」と感じると「とりあえず確保しておかないと安心できない」という心理状況に陥りやすいからです。

オイルショック時はトイレットペーパー類がなくなるという噂が流れトイレットペーパーの買い占めが行われました。震災時は千葉の石油コンビナートから火が出てなぜかガソリンスタンドに長蛇の列が発生しました。少し前はマスクを求める人で朝からドラッグストアに並ぶ人もいましたよね。

これらはすべて一部の人間の買い占めによって起きる現象です。マスク100枚で1ヶ月はもつのに(子供がいる家庭でも外に出ないことを前提として考えた場合)2箱も購入する必要はないわけです。1人1個を徹底すれば100人に行き渡るマスクも2箱購入してしまえば50人分にしか供給されません。

これが教習所でも同様のことが起こり、教習所が混んできたと感じると「誰かに取られる前に予約を取らなきゃ」という心理状況に陥ります。たとえ都合が悪い日であっても取れる予約は上限まで取ろうとしてしまうので、結果として断ることのできない用事であれば予約をキャンセルすることになります。

だから繁忙期にキャンセル待ちが多く発生するのです。

「こんな混んでいる時期になぜキャンセル待ちは出るんだろう?」という至極当たり前な疑問の答えは前述した過剰予約分が原因です。予約を取りやすくする一番の解決策は「最初から必要のない予約は取らない」ことに限るのですが、人の歴史上なかなかそれは難しいと考えられます。

現状では解決策はないに等しい

教習所に通っている側から見れば「混んでいるんだから車とか人を増やせばいいのに」と思うかもしれませんが、そもそも逆の立場に立って見ることができればそれらは実現しないことがすぐに理解できるかと思います。スーパーでもそう簡単にはレジを増設できないのと同じ理論です。

混んでいる時期があれば当然空いている時期もあり、すべての基準を混んでいる時期に合わせてしまうと空いている時期における経費がとんでもないことになってしまいます。ほとんどの方はご存知ないかと思いますが、月に10台ほど教習車が稼働しないだけで500万円近い支出が発生するのです。

ですからあからさまに繁忙期に合わせて台数を調整してしまうと閑散期における経費だけで簡単に教習所は潰れてしまいます。呼んでもいないのに元旦になると勝手に人が殺到する明治神宮と同じで、混みすぎた場合の実質的な対応策は入場(入所)制限くらいしかありません。

効率良く免許を取得するための対策

前述した通り教習所の混み具合を実質的に調整できるのは入所を一時的にストップさせる制限措置だけです。しかしながらどこの教習所も入所制限を大々的に行っていないのは、現段階で入所をストップしても時期がズレるだけで抜本的な混み具合の緩和には大した改善がないと考えているからです。

これは実際に営業自粛により入所がストップした去年の緊急事態宣言下で証明されています。

つまり混みすぎて予約が取れない状況については人が来る以上どうすることもできないので諦めるしかありません。唯一できる対策は限りある予約枠の中で最善を尽くせるように自分自身を調整することです。特に自宅でも行うことのできる学科試験対策は確実に外せない要素のひとつでしょう。

教習所では第二段階に進むための条件として仮免学科試験に合格する必要があります。せっかく技能教習でみきわめを貰ったのにも関わらず、肝心の学科試験に受からなくて1ヶ月以上足止めを受けてしまう教習生も少なくありません。こうなると修了検定を受ける前に技能を忘れてしまいますよね。

学科試験は「90点以上で合格」という基準が法律によって定められているため、たとえ「勉強が苦手」「覚えるのが苦手」などの理由があったとしても例外的に合格させることは絶対にありません。期限が危ういのなら逆に退所を勧めます。それが法律というものであり守らないと教習所自体が潰されます。

「家でしっかりと勉強しましょう」なんてありきたりな内容でアドバイスにもならないと感じるかもしれませんが意外とこれが出来ない人が多いです。キャンセル待ちもすでに利用されている方が多いというのは周知しておりますが努力をどれだけ実施できるのかは人によって大きく差が出るのも事実です。

本気で免許を取得したいのなら学科試験に一発で受かるような努力、そして根気良くキャンセル待ちを続ける忍耐力が必要です。意外にもこの2点がしっかりと実施できている教習生は2月、3月の繁忙期においても2週間程度で卒業しています。免許を早く取得したい方はこの2点を徹底して頂きたいです。

これだけ聞くとどのへんがアドバイスなのか疑問に思われるかもしれませんが、ここまで読んで頂いた方には「きっと誰かがなんとかしてくれる」といったような夢や幻想ではなく事実のみを受け取って頂きたいのです。努力の報われないことが多い世の中ですが教習所における努力は人を裏切りません。