雪の日の運転

細心の注意が必要な雪

もうすぐ冬ですね。この記事を書いている時点ではまだ10月ですが、標高の高いところでは雪が降り始めた地域もあるそうです。

冬の風物詩として有名な雪ですが、一方で車の運転においては非常に過酷な環境です。事前に雪に対する準備や心構えをしておかないと、最悪な場面に遭遇することも珍しくありません。雪の日の事故率の高さもそれを証明しています。

事故の主な原因は雪による路面との摩擦力低下がもたらすスリップ……いわゆる「滑り」です。これは視界不良や技術的ミスよりも圧倒的に多い要素です。

これにプラスで「過信」も挙げられます。これくらいなら何とか走れるだろうと言う謎の自信です。雪の怖さを経験したことがない人に多い思考ですが、経験したことがないからこそ避けておきたい思考です。

以前とは変わってきた雪の質

最近の雪は昔と事なり若干「重く」なってきたような気がします。ようするに水分を多く含んでいる状態ですね。サラサラと流れるような雪ではなく、路面にシャーベット状に残るような湿った雪です。

このシャーベット状の雪のやっかいなところは、車のタイヤの溝にはまると簡単には取れなくなってしまうことです。溝が埋まってしまうと排水性能が低下し、より滑りやすくなります。つまり究極なまでに磨り減ったタイヤで雪道を走行するようなものですね。

これだとまず夏タイヤ(サマータイヤ)では滑ってしまって走れません。状況は刻々と変化していくものですから、昔走れたからといって今回も同じように走れるとは限らないのです。

時速5キロでも止まれない恐怖体験

これは私の経験ですが、今でも雪の日に車に乗らないことを推奨しているほどのトラウマを持っています。

自宅から職場まで片道50キロ以上あるので通勤はもっぱら電車を使用していますが、荷物を持って帰るなどの動機が生じると車で通勤することもあります。

こうなると帰り道での天気が予測できないんですね。何しろ距離がありますから、職場のある埼玉県と自宅のある東京都では天気が真逆であることも珍しくありません。

朝は晴れていたのに帰る頃には雪が降っていたこともあります。それでも帰らなければいけないので、いつもより慎重になりながら運転をしていました。

夜22時過ぎ、家に帰ってから夜食を食べると寝る時間がなくなりそうだったので国道のレストランで食事を取ることにしました。この時から雪による車への影響が出始めます。

なんと駐車場へ入る為のちょっとしたスロープが越えられないアクシデントが発生です。雪でタイヤが空転してしまって後方に滑るばかり。いつもなら難なく入れる駐車場もこの時初めて断念しました。

この経験から「やばい!」と思った本能が働き、滑ることを警戒して60キロ制限の道路を10キロで走りました。よく見ると周りの車もだいぶ速度を落としていますしね。なかには走れずにハザードをつけている車もいます。

大きな交差点に差し掛かった際、右折のために速度を落としました。通常よりも遅い5キロです。信号が変わりそうだったのでブレーキをかけると……。

ズザザザザザザザザザ!!!

ブレーキの感触が一気になくなり制御不能に! キックバックと警告ランプからABSが働いていたのは分かりましたが、結局停止予定部分から大幅にずれたところで停止しました。

夜間の人がいない時間帯だったことが不幸中の幸い、これが昼間の人が多い時間帯だったらと思うと……今考えてもゾッとしますね。

ちなみに下の写真は駐車場に到着した際に撮影したものです。

なぜ止まれなかったのか

車のコンディション自体は良好でした。当時は車を新車で買ったばかりで、タイヤもほぼ新品です。手入れもしっかり行っていたので整備性は悪くありませんでした。

しかし致命的な要因は新車であろうがどんなに整備をしていようが覆ることはありません。ずばり私の車は夏タイヤだったのです。

雪の日にはチェーンやスタッドレスタイヤを履くことが重要なことは学科教本にも記載してありますが、帰り道で突然降り始めた場合は対策しようがありません。そこらへんに車を停めて気軽に帰れるわけでもありませんから、かなり神経をすり減らしながら帰るしかないのです。

スタッドレスでも過信は禁物

いまやチェーンよりもスタッドレスタイヤの方が性能的にも優れていると言われていますが、技術レベルが著しく向上したとしてもすべての雪道に対応することはできません。スタッドレスタイヤでも滑る場面は何度もあります。

誤解しがちですが、スタッドレスタイヤは雪道で「夏タイヤより滑りにくい」だけであって「滑らない」わけではないのです。

実際にスタッドレスタイヤを装着した車でも滑ることによる事故は起きます。装着したから安心するのではなく、夏タイヤと同様の慎重さが求められるのです。

雪の日は運転のみならず満遍なく注意を

職業的に様々な雪の場面における事故の資料を見ているほか、自分自身の経験からなるべく雪の日は運転しないようにしています。

そうは言っても仕事柄運転しなければいけない人もいますから、そんなことも言ってられないですよね。

いくら自分が気をつけていたとしても、誰かの車が突っ込んで来たらどうしようもありません。

私も通勤で歩いているときに、車が止まれずにこちらに向かって来たときは冷や汗ものでした。職場の最寄り駅から歩いてただけで2件も事故の発生を見てしまったときもあります。

もちろん雪が積もっていれば歩いてる側も機動力がありませんから、ヒョイとよけることも出来ません。ドライバーも歩行者もそれなりに気を付ける必要があるのです。

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