シートベルトの重要性

2017年現在においても重要な安全装備

比較的速度の出る乗り物全般に搭載されているシートベルト。その重要性を理解するには車に乗るよりもジェットコースターに乗った方が早いかと思います。

ジェットコースターの安全バーは車でいうシートベルトの役割を果たしていますが、この安全バーが走行中に開いてしまった場合は恐怖というよりもむしろ死を覚悟するのではないでしょうか。

近年ではドライバーが操作をしなくても自動で止まってくれる車が販売されていますが、それでもなおシートベルトを装着しないとその効果を発揮できません。

自動ブレーキはドライバーがブレーキを踏まないことに対して補助する役割を担うため、自動ブレーキは基本的に急ブレーキになる傾向があります。

急ブレーキであればシートベルトをしっかりと着けていないと吹っ飛ばされてしまいますよね。これはジェットコースターにおける遠心力とほとんど変わらないため、安全バーがない状態で急ブレーキが生じればどうなるか分かるはずです。

シートベルト着用の主な効果としては

①運転姿勢が正しくなり疲労しにくい。

②衝突時の被害を大幅に軽減する

この2つが代表的な(学科試験出題傾向的に)ものです。

比較的大きな事故においても「シートベルトさえしていれば助かったのに。」と言った事例が非常に多いです。とりわけシートベルトを着用する習慣の薄い、観光バスなどの事故においては、装着者と比較すると非装着者の死亡率が圧倒的に多くなっています。

2016年1月に発生した軽井沢スキーバス転落事故においても96キロでガードレールに衝突、崖から転落した衝撃でベルト非装着者は頭蓋骨陥没や頚椎損傷でほぼ即死状態であったとされています。

一方でベルト着用者においては、大きく凹んだ車体中央部を除きほぼ生還しています。気がついたら天地が逆になっており、ベルトによりぶら下がっている状態であったと報告されています。

いかに車の安全性能が向上したとしても、自分以外の不注意や意図せぬトラブルによって事故は発生してしまいます。発生後に助けてくれるのは自動ブレーキではなく、至ってシンプルな構造をもつシートベルトの方なのです

 

もともとは小さな自動車メーカーの安全装備

1959年、スウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」が世界初の3点式シートベルトを開発、特許を出願しました。この3点式シートベルトは2017年現在の自動車においても9割以上が採用している方式です。

逆に言えば1959年から58年間、ほとんど形が変わっていない安全装備と言えるでしょう。60年近くも前の時代で、すでにシートベルトの機能性は完成されていたのです。

ここで話が終わってしまえば「ボルボすごいねぇ!」で幕を閉じてしまいますが、この話にはまだ続きがあります。

当時ボルボは3点式シートベルトに対する特許は出願していましたが、「安全性能は独占するものではく共有すべき」の信念のもと、すぐに世界中に無料公開するという英断をくだします。

この無料公開によって世界中の自動車メーカーが3点式シートベルトを採用し、今日に至るわけです。

「そのとき歴史が動いた!」というわけではありませんが、もしあのとき、ボルボが3点式シートベルトに関する特許を公開しなかった場合、今頃世界5位くらいの巨大自動車メーカーになっていたのではないかという試算がなされています。

又、財力のない小さな自動車メーカーは特許料を払うことができずに独自のものを使うことになるため、今ほどの普及は見込めなかったことでしょう。

バーキンのような小さなメーカーからトヨタ、VWのような巨大メーカーまで一貫して3点式シートベルトの恩恵にあずかれるのも、当時のボルボの英断が大きく影響していることは間違ありません。

利益より理想を追求することで世界の安全基準を塗り替えたボルボ……今の車づくりにもこうした理念が活かされていることを切に願います。

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