エンジンブレーキとは

エンジンの抵抗力を利用したブレーキです

アクセルを離すとエンジンへの燃料噴出がストップし、動力源を失ったエンジンは徐々に出力を低下させていきます。

ギアが低いほど速度の許容範囲も低くなるので、それ以上の速度で走行していた場合は本来のギアの許容範囲である速度に落ちていきます。

一般的にはローギアであれば0キロ~30キロの速度域を得意とするため(車種による)それ以上である60キロで走行していた場合はブレーキを踏まなくともこの速度域まで落ちていきます。

エンジンブレーキを効かせたい場合にシフトダウンさせるのはこのためです。AT車では現状の速度で最適なギアを選択して走行するため、一段ギアを下げればエンジンに負荷がかかることは明白でしょう。

例えていうなら自転車のギアを一番軽い状態で高速回転させると、ある速度でそれ以上の速度は見込めなくなり、ただ足元が高速回転するだけになります。

この伝達ロスが自動車では負荷となり、速度を低下させるのです。普通に走りたい場合はシフトアップによって解決させます。

AT車のエンジンブレーキは弱い

AT車は構造的にトルコン(トルクコンバータ)を利用するので、エンジンブレーキが弱くなります。これはギアとエンジンがダイレクトに繋がるMT車とは対照的に、AT車の場合はオイルを通して動力を伝達するためにロスが生じるからです。

MT車の感覚でアクセルを緩めても、AT車の場合は速度の落ち方が極端に少ないので気を付けなければいけません。

エンジンブレーキを使う場面

ずばり下り坂8割、滑りやすい路面での速度制御2割といったところです。特に下り坂において、長時間連続でフットブレーキ(皆様が普段踏んでいる足元のブレーキ)を使い続けるとブレーキが効かなくなってしまう恐れがあります。

これは2016年1月15日に発生した軽井沢スキーバス転落事故における事故原因のひとつともされています。(運転者の過労や急なシフトダウンによってニュートラルに戻る仕様が原因など様々な諸説あり)

教科書ではフェード現象及びペーパーロック現象として説明されていますが、ようするにどちらともフットブレーキの使い過ぎ(摩擦によるもの)で熱を持ち(伝わり)、踏んでもブレーキが効かなくなってしまう現象のことです。

これらを防止するための手段として、フットブレーキを多用しなくても速度の制御が容易なエンジンブレーキを活用することが広く推奨されています。ほとんどの場合ローギアに落とせば、ブレーキを踏まなくても速度を40キロ以下に制御しやすくなります。

やり方は至ってシンプルです。通常時であれば基本的にDギア(ドライブギア)で走行しているはずです。

ギアを落とす場合はこうですね。写真ではLギア(ローギア)になっていますが、基本的には段階的に下げていくのが原則です。Dギアであれば2ギア(セカンドギア)に、2ギアであればLギアにと言った具合です。

教科書では「長い坂や勾配の急な坂でエンジンブレーキを活用しましょう。」とありますが、この場合の「長い下り坂」とはおおむね2キロ以上下り坂が続くことを言います。

「勾配の急な下り坂」ともありますが、実際は急な勾配でなくてもエンジンブレーキは必要です。理由としては、勾配の急な下り坂に対して、勾配のゆるい下り坂では相対的にブレーキを踏んでいる時間が長くなります。急な坂の方が短い距離で地上に到達しますからね。

エンジンブレーキをうまく活用できるようになれば、ドライバーとしての技量もワンランク向上したと考えても良いでしょう。

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