教習所は夢の国じゃない
前回の記事で「教習所あるある!」を取り上げたので、今回はその逆である「教習所ないない!」をテーマにしたいと思います。
かつては教習所をテーマにしたドラマや映画が放映されていたりしましたが、果たしてそんなドラマティックな転回は実際にあるのでしょうか!
夢は妄想で膨らませることが出来ますが、現実はその膨らんだ夢を一気に弾く力を持っています。つまり教習所業界のバブルもちゃんと弾けます。
ですので安心してご覧下さい!
見知らぬ生徒と恋愛
ずばりこんな展開はほとんどありません!まぁ全体の0.1%くらいはあるのかもしれませんが、知らない生徒通しの話が弾んでめでたく恋愛に…と言った光景は少なくとも見たことがありません。
大多数の方は友達といる場合は友達との会話オンリーとなり、一人で通っている場合の行動パターンは以下の通りとなります。
- コースを走る車を眺める
- 音楽を聴く
- 効果測定の勉強をする
- スマホでネットサーフィンかゲーム
- 興味もない内容のテレビを眺める
- 足の爪先を交差させたりして遊ぶ
- 指先の皮をむしる
- 手を組んで下を向いて寝たフリ
- コースに飛んできた鳥を眺める
- 別に喉は乾いてないけどやたら自販機でジュースを買う
のいずれかがテンプレートですね。基本的に興味がある子に勇気をもって話しかけたとしても、次の日からその子が来なくなるのがデフォルトです。
もしくは苦情として事務所に相談がきます。「変な人が話しかけてくるのでどうにかして下さい」と。
指導員が鬼のように厳しい
今の時代、そんなに厳しい人はいないと思います。これはみなさまにとってプラスになる内容ではないでしょうか。
注意をすることはあっても怒るという行為はさほどありません。怒って給料が上がるのなら別ですが、怒ってもなんの利益もありませんから進んで怒る人はいないでしょうね。
かと言って自由に何でもできるわけではありません。教習所の規則に従われなければ退所です。
守れない人より守れる人の方が圧倒的に多いですから、守れない一人を退所させた方が圧倒的に楽なのです。守れるようになってから来て下さい。
指導員とドラマのような信頼関係
ドラマの見すぎです。
頑張ればなんとかなる
なんとかならない人もいます。技能が受からない、学科が受からない、期限が切れた…等々。
教習や試験に関するおまけは一切ないので期待はしないで下さい。特に学科試験は自分で勉強しないと知識になりません。
勉強が苦手であろうが時間がなかろうが、期限内に合格できなければ退所です。
どうしても嫌なら学科試験を楽にしてくれそうな議員さんを自民党とか民新党とかで探して投票して総理大臣になってもらって法改正してもらえば何とかなるんじゃないですか?
おそらくそれらを頑張って仮に実現させたとしても、その頃にはすでに人生の折り返し地点に達しているかと思いますよ。
やたらと優しさを強調する謳い文句
「教習生の立場に立って優しく、笑顔で、丁寧に指導を行うフレンドリーな教習所です。卒業生の方から多くのご好評の声を頂いております。」
↑↑↑こんなの見たら笑っちゃいますよね。これを実際に念頭に起きながら仕事をしている人が全体の何割くらいなのか統計をとってみたいものです。
私の知っている保険屋さんの勧誘も誰かのの利益や幸せを望んでいるのではなくノルマの為に来ます。CMでは一応「みんなの笑顔をつくりたい」なんて言っていますけどね、笑顔ではなくノルマで来ます。
- 教習生の立場に立って→ほぼ嘘です。
- 優しく笑顔で丁寧に→指導員が優しくこちらを見ながら丁寧な手さばきでアハハ、アハハって笑っていたら恐怖ですよね?
- フレンドリーな雰囲気→見ず知らずの指導員にいきなり「◯◯ちゃん、あのさぁエヘヘ」とか身内っぽく言われてもキモいだけだと思います。
- 卒業生のご好評の意見→好評ではない意見はなかったことになっている。
さすがにこのキャッチフレーズに魅力を感じて入所を決める人はいないと思いますが、これだけ適当な文字が至るところで反乱している社会全体もどうかと思います。
分かりやすく言えばマックのバイトと同じです。マックの店員がお客様のために真心をこめて美味しくなぁれとか願いをこめながら丹精に調理してくれてると本当に思っていますか?
仕事だから調理するんですよ。バイト代をもらう対価として。
なかにはしっかりとしたポリシーを持ちながら作って下さる方もいるでしょうが、そのような方々は全体の何%でしょうか。これも統計をとってみたいですね。
適当な謳い文句が溢れる社会
これを読んで絶望的になる方もいるかもしれませんが、社会の仕組みを紐解けば教習所に限らずどこにでも溢れている概念です。とりわけ特別なことでも何でもありません。
しかし過度に教習所に対して理想を追求してしまうと、必ずどこかで歪みが生まれます。
変なキャッチフレーズを信じるよりも、実際に教習所に行ってみて雰囲気を観察してみるとか、ロビーに座っている教習生の目が死んでいないのかなどを確認しておくと良いかもしれません。