DCTとは

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簡潔に言えばAT限定で乗れるMT車です

皆様もご存じの通り、国内で流通している代表的なトランスミッションは以下の3つだと思います。

  • AT(オートマチックトランスミッション)
  • MT(マニュアルトランスミッション)
  • CVT(コントラーブルバリアブルトランスミッション)

です。このうちCVTはAT車の分類なので、あまり意識しなくとも「自分の乗っている車は実はCVTだった」なんてことはよくあります。

しかしタイトルに出てきたようなDCTはあまり聞き慣れない言葉ですよね?

それもそのはず搭載車種がかなり限られてくるため、よっぽどピンポイントでその車種を選ばない限りはほとんど縁がありません。

DCTとはデュアルクラッチトランスミッション…分かりやすく言えばクラッチのないMT車です。

ですので基本的には自分でギアを選択する必要があります。一応日本やアメリカのようなAT車が圧倒的多数を占める国に対応して自動モードもついています。

この自動モードは変速操作を自動で行うので、AT車と同じように走行するそとができるのですが、あくまでベースはMTなので変速時に回転数を合わせてクラッチを繋ぎ合わせます。

ギアがダイレクトに切り替わる感覚はMT車がメインとなる欧州では好評ですが、加速時にショックのないスムーズさを好む日本やアメリカでは敬遠される傾向があります。

代表的な搭載例はVWグループのDSG、BMWのDCTなどがあります。

国内でも多少の構造の差異はあるものの、三菱ランサーエボリューションXあたりのSSTもクラッチのないMTですね。

古くはトヨタMR-Sのシーケンシャルトランスミッションなんてありましたが、気がついたらこの機構も消えていました。乗ると楽しかっただけに残念です。

DCTの特徴

  • AT車に比べてトルコンがない分伝達効率が良い。MT車よりは数%劣る。
  • MT車のようなダイレクトな変速感覚。変速間隔を味わいたい人には最適。よって本格的なスポーツ走行が出来る車種に搭載例が多い。
  • AT車のように流れるような加速をせず、変速時に加速が途切れる(厳密にはそう感じる)ため、絶対的馬力の低い車に乗るともたつき感がある。

ATやMTとの比較材料を探すともっとあるのですが、実際に運転してみて体感上分かりやすいものを扱ってみました。

世界的には多く日本国内では稀少

これもAT車が全体の9割を占める日本にとって当たり前の結論です。

確かにDCTは運転をすると楽しいのですが、車に楽しさではなく燃費や税金の安さ、多くの荷物や人数を乗せられるか等を求める日本においてはなかなか参入の余地がありません。

Z4の300馬力超えのエンジンならそこそこのスポーツ性能を感じることができるのですが(それでも個人的には8速ATの方がいいです)、低排気量になると初期加速のレスポンスの悪さにストレスがたまります。

下手をすると10年前の軽自動車の水準です。速度がのってくるとまぁまぁ走れるのですが、急な速度ダウンに関しては変なショックがきます。

渋滞が多く、流れるような合流が必要な日本の国土においてはなかなか馴染めない要素なのかもしれません。

しかし運転をしているという感覚は強いため、車を道具として見ずに趣味として捉えるのなら、日常にスパイスを加えてくれる良いメカニズムだと思います。

筆者もなんだかんだいってDCTを楽しんでいます。