免許写真はプリクラの逆補整
プリクラは今でも人気のあるゲームセンターの顔的存在です。私が小学生くらいのときに登場して以来、まさかこんなに息の長いものになるとは…。
その人気の秘訣は、なんと言っても自分の顔を過剰なくらいに美化する補整機能、いわゆるフォトショ補整と同じ類です。
どんなに被写体が魔神ブウとドドリアとジャネンバを足して3で割って、そこに砕いた煎餅をまぶしたような顔であっても目だけは宇宙人にしてくれます。
明らかに本人とは異なる造形美を実現させてくれるプリクラは、見るものの心を夢で満たしてくれるファンタジーそのものなのです。
しかし免許証の写真はプリクラの逆補整がかかります。どんなに顔が整っていようと、発行された免許証の四角い枠の中には何故か岩石が映っているのです。
私の免許証も人に見せられたものではありませんが、とある機会で私の免許証を見た友人からは「港のコンテナらへんで密輸してるマフィアみたい」と言われました(笑)
写真撮影はほんの数秒
プリクラみたいに画面上にカウントダウンが表示されるわけではなく、ハイ、チーズ!なんて音声が流れるわけではありません。
基本的に免許センターでの証明写真の撮影は、
カタカタ(書類を渡す動き)!
スト(イスに座る音)!
バシャ(撮影される音)!
です。この一連の流れが10秒経たないうちに終わります。イメージとしてはフードコートで食べ終わったトレイを返却した後の流れに近いものがありますね。ようするに流れ作業です。
席に座った瞬間に顔を作る時間なんてありません。いきなりフラッシュが光り、次に使う書類を渡されて終了です。
「こんなので平気かなぁ?」と思うかもしれませんが、実際に発行される免許証の写真はその不安通りなので安心して下さい。
免許証映りを良くするコツ
すでに免許証を発行された方は体験済みかもしれませんが、次の免許の更新時には前回の経験からある程度の対策はされているかと思います。
ほんのちょっとでも映りが良くなりたい…なんて凄くちっぽけで意味のない不安をもつのが人間らしさと言うもの。
以下にそんな先人たちの知恵と工夫と汗と涙(は流れてないけど)の免許写真対策術を記載します!
薄いブルーの服はさける
理由は簡単です。免許証写真の背景が薄い青色だからです。この色の服を着るともれなく写真から体が消えます。
顔だけ不気味に浮かび上がったその迫力は地盤沈下レベルです。むしろ背景が地盤沈下したように見えますね。デスタムーア第3形態と言うあだ名をつけられた友人がいます。
カラコンやディファインもダメ
これは視力検査時に調べられます。その後カラコンなどを入れる余地を与えないために、そのまま写真撮影に流れるパターンが多いです。免許証は証明写真であるため、顔を他のパーツで補整させることはできません。
そもそもプリクラの逆補整がかかる撮影装置ですから、そんなことしたら素の顔よりひどい絵面になりますよ。
髪色は地毛が一番ナチュラル
筆者も免許を最初に取得したときは18歳でした(泣)大学生のノリでけっこう明るい茶髪にした時が一番最初の免許写真になったのですが、明るすぎる髪色は照明に反射してしまうのか掠れた雰囲気になってしまいました。
味のあるクールな掠れではなく、髪が傷んでチリチリになって栄養分が放出された後のような掠れ具合です。
次の更新は黒髪で望みました。結果としては…やはり微妙。
試験場の撮影機では髪の束感が全く再現されず、まるで髪の毛全体をウインドウズのペイント機能で黒のペンキを垂らしたような出来映えになりました。
そして4回目の更新は地毛(薄茶色)。さすがに社会人経験を積んでいくと髪色にこだわりが薄れてくるので地毛が一番!になってしまいます。
逆に免許写真の場合はこれが一番でした。黒髪では再現されなかった髪の束感が見事に再現されていたのです。
それ以降はすべての免許写真を地毛でトライしています。それでも友人に「港のマフィア」と称されるレベルですから、相当映りがひどいことが伝わると思います。
撮影当日は一発勝負
基本的に撮り直しはありません。あるとするなら「顔に残像が走った」「顔が消えた」「オーヴが映った」「映ってはならないものが映った」と言ったごく限られた場合のみです。
どんなに映りが悪くても変更は出来ません。免許センターは1日に凄い人数が押し寄せてくるので、たった1人のために多くの時間をさくことは出来ないのです。
たとえ写真の顔がひどい映りであっても、更新という制度がある以上それが一生続くわけではありません。
どちらにせよあと50億年もすれば地球は太陽に呑み込まれるわけですから、宇宙時間的には些細なことにも該当しないレベルなので、あまり気にしない方が得策ですね。