「S字とクランクのコツ」の内容を最新版に更新しました。画像をより詳細な物にリファインしました。

応急救護では何をするのか?

学科教習

誰でも出来る救命措置を学びます

1994年(平成6年)より自動車教習所の必須カリキュラムの中に組みこまれました。模擬人体装置を用いて胸骨圧迫の練習を行ったり、AED(レプリカ)を用いて操作方法を学んだりします。

応急救護措置は別名「第一次救護措置」と呼ばれ、人命救助における大きな役割を担うと共にこれらが広く普及することによって救命の連鎖(※)を促すことを目的としています。

(※)命を絶やさない・繋ぐという意味で使われます。

学科教習としては異例(?)の実技を伴う教習ですので正直疲れますが、一方で体を動かすと言うことは眠気を抑える効果もあるため、通常の学科教習に比べると楽だと言う意見もあります。

応急救護措置のやり方は消防や日本赤十字、第三次医療センターなどによって微妙に異なるケースもありますが内容はほとんど一緒です。教習所では日本赤十字のやり方で講習を行うケースが多いですね。

応急救護で行う内容

1・座学

なんか色々と指導員が説明してくれます。応急救護措置を行う意義であるとか目的であるとか……。場合によっては動画を観たりで眠気MAXですが何とか耐えきりましょう。

2・胸骨圧迫

下記イラストのような模擬人体装置を用いて胸骨圧迫、人工呼吸の訓練を行います。どの模擬人体装置も死んだ魚のような表情をしているのは仕様なのか偶然なのか気になるところです。

そもそも胸骨圧迫はなぜ行うのか?

それは心肺停止によって体に行き渡らなくなった血液中の酸素を脳に送るためです。

脳は人間の身体の中でも極めて重要な部分であり、これが機能しなくなってしまうと人間としての生活はほぼ出来なくなってしまいます。

しかも死んでしまった脳の細胞は二度と再生されることはありません。日本の法律上も心臓が動いていたとしても脳が死んでしまった時点で「死亡」と言う扱いになります。

脳は人間の身体の中でも特に耐久値が低く、ほんの数分間酸素が届かないだけでも脳細胞は死滅してしまいます。

しかし酸素さえ脳にしっかりと届いていれば、脳は何とか生き耐えることが出来ます。心臓という動力源が機能しなくなったとしても何らかの方法で酸素を運ぶことが出来れば良いのです。

その方法が胸骨圧迫……つまり皆さんの役割は酸素を脳に運ぶための人工心臓になることです。

3・人工呼吸

直接人の口から酸素を送りこむ訓練です。人が吐き出す息の中にも僅かながらに酸素が残っており、それを傷病者の口に直接送りこむことで酸素を補充する役割があります…………

が!!!

近年ではあまり意味のない行為として認識され始めているので近々教習所のカリキュラムからも消される可能性があります。と言うのも……

  • 人工呼吸を行わなくても血液中には十分な酸素が残っている。
  • 技量的に難しい。
  • 精神的にきつい。
  • 感染症の危険がある。
  • 胸骨圧迫を中断させる時間が増えるほど蘇生率が下がる。

などの理由があるからです。確かに口からボエェェ~と変なものが出ている人に口づけをするのは精神的にきついですよね。

ですが2018年3月現在では応急救護措置のカリキュラム上に人工呼吸が存在しているため、講習の時間内にこれらを行う必要があります。

まぁさすがにビニール製の吹き込み用具がちゃんと配られますから、人形越しに誰かの唾液が自分の口に付くことはありませんけどね(´・ω・`)

4・AED

誰でも簡単に電気ショック♪がウリの人命救助器具です。

心肺停止になった直後に使用することで効果が発揮されます。そもそも心肺停止とは言っても動いていた心臓がいきなりピタッと止まることはほとんどありません。

止まる直前の数秒間~数分間は心臓の痙攣……いわゆる心室細動が発生します。この状態の心臓に対して大きな電気ショックを流すことで心臓の動きをリセットする装置がAEDです。

ですのですでに止まっている心臓・動いている心臓には効果がありません。この場合はAED自体が「電気ショックは不要です」と判断を行いますので、すぐに胸骨圧迫を続けて下さい。

使い方は誰でも分かるように日本語音声で案内をしてくれます。詳しくは各教習所におけるAEDの実機(レプリカ)で確認して下さい。ちなみに訓練をしていない人でも簡単に扱えます。

たった数時間で獲得できる大きな技術

ニュースでは「教習所を2日前に卒業した大学生が習ったばかりの救命措置で人を救った!」なんて記事が実際にあります。

「たった2時限の実技で?」と思われるかもしれませんが、皆さん恥ずかしながらもしっかりと練習してくれていので技量は身に付いているはずですよ。

胸骨圧迫はコツ(傷病者の胸をしっかり押し込む)さえ掴めば誰でも行うことが可能であり、そのコツでさえも習得が難しくはありませんから、何らかの現場に遭遇した場合は是非活用して頂きたいですね。

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