日常点検
第二段階に入ると一番最初の技能教習で必ず日常点検を行います。すぐに路上に出なければならない都合上時間をかけて説明をすることは出来ませんが、エンジンオイルやバッテリー液の確認、タイヤの空気圧など全シーズンを通して役に立つ知識は少なくとも得ることが出来るはずです。
しかしながら初めての路上教習という緊迫感もあってか、卒業を迎えた頃には日常点検の内容をすっぽりと忘れてしまう人もいるでしょう。新車であればまだしも、何年も乗り続けていればヒトと同じで定期的なメンテナンスが必要になります。癌と同様に完治が可能な段階で異常を発見することが非常に重要なのです。
特にエンジンオイルは一般的な国産車であれば5,000円以下で交換が出来てしまいますが、これらを放置してエンジンが焼き付いてしまうと数十万円の出費になってしまいます。メーカーも一切「メンテナンスはしなくて良い」とは言っていないため、国産車だからと安易な考えはせずに定期的にチェックをして下さい。
日常点検はオイルを抜いたりホイールを外したりする定期点検とは異なりますので作業自体は簡単です。しかし確認項目はお世辞にも少ないとは言い難いため、各自でチェック表を製作して印刷しておくと便利です。当サイトでも1年を通して使える日常点検チェック表」を配信しておりますので是非ご活用下さい。
教習で行うおおまかな点検の内容は以下の通りです。
- エンジンオイルの色と量
- バッテリー液の量
- ブレーキ液の量
- ウォッシャー液の量
- 冷却水の量
- タイヤの溝の深さ、摩耗、空気圧
- ランプ類
- ワイパーの状態、拭き取り
- ブレーキの踏みしろ
- パーキングレバーの引き(踏み)しろ
日常点検を行う時期
- 自家用車…気が向いたら
- 業務用車…1日1回動かす前
定期点検
一方で定期点検は日常点検よりもより高度な技術を要します。いわゆる車検も該当するのですが、検査項目が非常に多いために業者(カーディーラーや自動車整備工場)に依頼する場合がほとんどです。普通車の場合は12ヵ月毎に定期点検を行う義務があり、24ヵ月毎に車検を行う必要があります。
定期点検を行う時期
- 法定12カ月点検…罰則なし
- 法定24カ月点検…罰則あり
定期点検は「法定12カ月点検」と「法定24カ月点検(車検)」の2種類があります。12カ月点検を怠った場合の罰則はありませんが、メーカーの保証制度の多くは12カ月点検を行うことを前提としています。お金と時間が勿体ないからといって12ヶ月点検を怠ると保証対象外となるケースもあるのです。
24カ月点検(車検)の時期は通常2年に1度のサイクルで訪れますが、新車購入時のみ特約で1度目の車検が3年後(初回車検)になります。つまり学科試験で「車検は必ず2年に1度受ける必要がある」といった内容の問題が出た場合は、新車時のみ例外で3年後となるので正解は×となります。
車検を受けるとフロントガラスの内側に次の検査の時期が印刷された検査標章が貼り付けられます。うっかりと忘れないように日常的に確認をする癖をつけておくと良いですね。