急勾配は都市部にも多く存在します
坂道発進は急な登り坂で発進する際に後ろに下がらないために行う措置です。車もそれなりに重量がありますからブレーキからアクセルに踏み変えるほんの一瞬でも重力に負けて後ろに下がってしまいます。あらかじてハンドブレーキをかけておくことでそれらを未然に防止することが出来ます。
一方で教習所で習ったはずの坂道発進を日常生活において生かせず、後ろに下がって他車と接触事故を起こすケースが少なくありません。おそらくその要因として日本国内におけるAT車比率が挙げられるでしょう。AT車の場合はブレーキを離すと自動的に動き出すクリープ現象が発生します。
このクリープ現象が意外にも強力で、4度〜5度くらいの角度であればブレーキを離すことでジワジワと動いていきます。ほとんどの場合はクリープ現象で坂道でも後退せずに留まってくれるので坂道発進の意味合いが徐々に薄れていってしまうのでしょう。しかしながら坂道発進を必要とする場面は予想以上に多いのです。
圧倒的に事故率の高いショッピングモール
近年ではイオンやららぽーとに代表される大型ショッピングモールの台頭で私たちの生活はより充実したものになったと思います。私もよく「HobbyZone」や「おかしのまちおか」に足を運ぶのですが、よく観察するとショッピングエリアと駐車場エリアで天井の高さが異なることにお気づきでしょうか?
ショッピングエリアの天井は開放感を演出するために高く設計されており、逆に駐車場エリアは駐車台数を稼ぐために低く設計されています。連絡通路から駐車場に移動する際に階段を登ったり降りたりするのはそのためです。天井が低ければそれだけ駐車場エリアのスロープが急勾配になることを意味します。
特に土日は混み合いますから駐車場のスロープで渋滞が発生することも考えられますよね。なぜか日本人は渋滞にはまって動けなくなると腕を組んで下を向いたり、指先の皮を剥いて捨てたりする奇行に走ることがあります。前を向いていなければ車が後方に下がったとしても気が付くことが出来ません。
一度下がり始めた車は後方の車が必要以上に車間距離を空けていない限り、ほんの数秒程度でぶつかってしまいます。もしここで教習所で教わった通りにハンドブレーキをかけていればそれらの事故を未然に防ぐことが出来ます。初心を忘れずに運転することが事故防止の要であることを認識しておきたいですね。