キープレフトの実践

左側通行のさらに左寄りを走る

教習所で練習をしていると、よくキープレフトと言う言葉を聞くことはありませんか?

そのままの意味で左側を保つということですが、そもそも日本は左側通行ですのではじめからキープレフト走行を行っているとも言えます。

しかしいくら左側車線を走行しているとは言っても、やたら真ん中の線に近い右寄り走行は危険なものです。向こうから見れば「なんであの車はこっちに寄ってるんだ?」になります。

ですので左側通行の、さらに少し左寄りを走る位置取りが最も大切だと言われています。しかしギリギリ……それころ縁石に近いくらい左側に寄ってほしいと言う意味ではありません。

あくまでキープレフトであって、ベリーベリーキープレフトではありませんから気持ち左に寄せるくらいで結構です。しかし道が極端に狭い場合や、小学生の登下校などで左に寄ると危ない場合はその場に適した位置取りで走りましょう。

教習所では気持ちギリギリに寄せます

第一段階の所内教習ではおそらくこのように言われていませんか?  「もっと寄れるのでもう少し寄せて下さい」と。しかし残念ながらその先……なぜ寄せるのかと言った理由を説明していない指導員がなんとなく多いと思います。

同じ指導員職としては非常に複雑な心境ですが、これだとなぜ寄せるのかと言った明確な理由が分からないまま進んでしまうことになり、結果として「教習所だからやらなければいけない」ととりあえずの理由で片付いてしまいます。その方が精神的に楽だからです。

しかし我々が言う「もっと左に寄せて下さい」は別の意味を持っています。もちろん試験に受かるためという明確な理由も存在します。試験場なら少し離れただけでも失格にされます。

日常がどうとか現実がどうとかそんなの意味がありません。決まりなのでそれに従うしかありませんし、日本の法律ですから嫌なら外国に移住するしかないのです。

日常的な運転と受かる運転は異なることを理解しておくと比較的スムーズに進められます。

左の感覚を掴めないと卒業後に困る

教習を始めた頃の皆さんにとって、感覚の掴みにくい左側に寄せる行為は非常に恐いと思います。しかしその左側の感覚がしっかり身につかないまま卒業してしまう方が圧倒的に恐いです。

教習中は指導員という強力な事故防止システムが働きます。ぶつかりそうになれば補助ハンドルを取ってくれ、タイミングが遅れればブレーキを踏んでくれます。

恐らく最近流行りの自動ブレーキよりかも今のところは指導員の方が機械では認識できないパターンに対応できる分優秀なはずです。

しかし卒業してから運転すると全てが自分の責任と判断のもとで行動しなければいけません。その際「見えなかったからぶつかった」「感覚が分からなかった」とどんな言葉を並べようがすでに手遅れです。

教習所でギリギリまで寄せる意味……それは「どこまで左に寄せられるかの感覚を養うため」であって、卒業後も常にギリギリを走行してくれと言う意味ではありません。

むしろ第二段階の路上教習ではぶつけたら事故ですので、第一段階の所内だからこそ練習できる内容とも言えます。

教習所のコースはどこも車が乗り上げることを想定して縁石は低く設計されていますから、初めは乗り上げる勢いで感覚をつかんでもいいと思います。

逆にこれが許されるのも教習序盤の特権です。ちなみに左側の感覚が掴めないまま卒業してしまうとどうなるのか……。

これはずばり狭い道で「行き違い」が出来なくなります。皆さんが取る免許は日本全国運転できる免許ですよね?  教習所のコース限定免許ですか?  基本的に免許を取れば日本一周どこにでも行けるはずです。

当然知らない道も走ることになり、そのなかには通常よりもはるかに狭い道も存在します。

そんな狭い道で対向車からトラックが走ってきたら左側に寄せなければいけません。左側スレスレに寄せて本当にミラーが当たるギリギリのレベルで通過しないといけません。

このような状況下で左に寄せきれなければどうなるでしょうか。恐らく相手のトラックから見れば「スペースがあるんだからもっと寄せてくれ」でしょうね。

残念ながらこれは寄せきる技術が未熟だった為に起きた必然です。そこに初心者だからと言った逃げ道を作ってはいけません。初心者でも感覚を身に付けている人はいるのですから単純に人の実力です。

運転できるから免許を持っているわけであり、初心者だから運転出来ないと言った考えは通用しないのです。

細い山道で前からバスが来たなんて珍しいことでも何でもありませんから、その場に応じた対策が必要になります。

このような状況において惨めな経験をしない為に、ギリギリに寄せる技術を早い段階から教えているのです。

これがキープレフトとごちゃごちゃに繋げてしまうと誤った認識をしてしまいますので、通常走行とは別のものと捉えておきましょう。

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