確かに15年ほど前は怖かった
私が教習所に通っていた頃(今から15年程前)は典型的な体育会系のスパルタ教育な感じでした。道を間違えてしまえば窓を叩かれたり、操作を誤ってしまえば「違うよ!」と怒鳴られたりしました。それでも当時は「教習所はこういう所なんだ。」という一般的な風潮が強かったので、みんな耐えながらも必死に練習していたのです。
本音を言えば教習所が大嫌いでした。なかには優しく接してくれる教官もいたのですが、それでも威圧的な態度の教官の方が割合として多かったと思います。教習所の怖いイメージはこの頃に構築されたものであり、おそらくみなさんのお父さん、お母さんもこの時代に免許を取られたのだと思います。そのため「教習所は怖いところだよ。」という話をされているかもしれません。
この「怖い」というイメージを具現化すると、おそらく教習内容ではなく「態度」に行きつくのだと思います。教習所はそもそも公安委員会(警察)に業務を委託された公的な役割が大きいですから、教習内容においては甘くすることが出来ません。免許を取得したら一人で運転するわけですから、逆に教習の質を下げてしまえば卒業生の生死に関わる問題になってしまうからです。
しかし教え方においては人の数ほど性格があるので千差万別です。何か運転操作でミスが生じた場合、指導員から「なんでこんなこともできないんだ!」と怒鳴られるのと、「どうして出来ないのか一緒に考えてみましょう。」と優しく接してくれるのとでは、どちらがいいと思いますか?
おそらくほとんどの人は後者の優しく接してくれる方を選ぶと思います。どちらも言っている本質はほとんど変わりませんが、人間は怒られると精神的に脆くなってしまう傾向が強い動物なので、なかなか練習に身が入らなくなってしまう可能性があると思います。そうなってしまうと教習所に通うこと自体が嫌になってしまうかもしれません。
現代の教習所はどうなのか?
おそらくこれから教習所に通う皆様が最も気になることだと思います。実際のところ、今はそんなにスパルタでも威圧的でもありません。ふつうのドコモショップの店員くらいのイメージです。かつては「教習所は怖いところ」という共通認識で溢れていたのですが、ようやく時代がそれらに疑問をもつことを許してくれたように思います。
実際に教習所で教習を行ってみると分かるのですが、割とどこの教習所の指導員も優しく接してくれることが多いです。この傾向は若い指導員であるほど多く見られ、年配になるほど厳しくなるような傾向があります。(あくまで傾向ですから、年配の指導員だから必ず厳しいと言う意味ではありません。逆に凄く優しい方もたくさんいます。)
巷では「サービス業だから」と記載されている例もありますが、実際のところはそれらを意識することはほとんどありません。そもそも教習所は公的な役割の強いところですから、無理に教習生を誘う必要性がないのです。極端に言ってしまえば「来たい人だけ来て下さい。」と言ったニュアンスです。今の時代、免許は必須資格ではなくなりましたから、無理して通わなくても全然問題ありません。
結論を述べると教習所に対して「怖い」というイメージを持たれている方は今の時代、そんなに気にしなくても良いかと思います。ただ勘違いされると非常に困るのですが、「優しい」というイメージを何故だか「評価が甘い」に置き換えて捉えてしまう方が稀にいます。
あくまで接し方が昔と比べると良くなっただけであり、教習の内容については昔も今も変わりません。むしろ法律で定められている内容に沿って教習を行わなければならないので、教習の質自体を下げることは出来ないのです。皆様も欲しいのは運転技術のはずです。人間誰しも特別ではありません。練習を重ねて技術を習得することで、初めて安全運転ができるドライバーになることができるのです。
車は豊かな生活を生み出してくれる便利な移動手段である反面、使い方を誤れば人を一撃で死に至らしめる凶器にもなります。そのことを忘れず、しっかりと練習に励んで頂ければ幸いですね。