事故は半分の確率で加害者か被害者
基本的に事故は単独で起こさない限り、加害者か被害者のどちらかになると思います。
教習所では事故を未然に防ぐため…ようするに加害者にならないための内容が中心となっていますが、実際は加害者としてではなく被害者として巻き込まれる可能性もあるのです。
確かに事故の世界では圧倒的に加害者に否があることがほとんどですが、万が一被害者となり後遺症を患った場合、いかに相手が悪くとも症状が完治することはありません。
最悪の場合、死に至る可能性も事故の世界では珍しくないのです。自分が命を落としてしまっては賠償も何も意味をなさなくなってしまいます(もちろん遺族には賠償金が支払われると思いますが)。
被害者にならないための防衛法
教習所では次のような言葉があります。事故を起こさないための「安全運転」と事故に合わないための「防衛運転」です。
教習所では大々的にこれらのテーマを掲げる割に、肝心の「防衛運転」については説明が疎かになりがちです。
考えられる理由として、運転初心者が通う自動車教習所は、まず初めに運転するための技量と知識を教習生にいち早く伝達させる必要性があり、一定の技量(及び知識量)に届かないとそもそも仮免許試験に合格できません。
合格できないと路上に出られないわけですから、限られた期限の中で効率良く学習させる必要があるのです。
考えてみれば人の命を預かる重大な運転という行為をMTは最低34時間、ATは最低31時間で全てを教えこむなどそもそも不可能に近いのです。
卒業試験はあくまでスタート地点です。その先様々な経験をすることで徐々に運転に慣れていきます。
一方で「防衛運転」についてはどちらかというと応用になります。これは運転能力がある程度身について、初めて意識することのできる分野です。
運転することに精一杯の教習生に対して防衛運転を教えるよりも、今目の前の技術を磨く安全運転にウエイトが置かれてしまうのは仕方のない部分であると言えます。
しかしながら上記の理由で決して防衛運転を疎かにして良いという意味ではありません。
「事故を防ごう」こうした意識を発展させたものが防衛運転であり、これを使いこなせば自身が事故に遭遇する確率は飛躍的に減少するのです。
具体的な防衛運転法
防衛運転と一口で言ってもその内容は様々です。人の内面的によるものや道路環境的によるもの、もっと視野を広げれば社会情勢によるものなど考え始めたらキリがありません。
ここでは運転初心者でも今すぐに始められるような防衛運転法を記載していきます。
自身の体調に起因するもの
これはインフルエンザやノロウイルス、花粉症を例にすると分かりやすいでしょう。どちらも体に大きな負担がかかり、ましてや運転に集中できるような環境ではありませんよね。
この場合は無理に運転するよりも体を休めて無理をしないことが最善の方法です。無理に運転をして途中で激しい吐き気や目眩に襲われた場合、気がついたときには最悪の結末を迎えているケースもあります。
体調が悪いときに運転を控えることは防衛運転法の中でもとりわけ代表的な部類です。
天候や災害などの環境に起因するもの
簡単に言えば雪の日の運転は控えましょうと言ったものですね。雨やゲリラ豪雨は防ぎようがありませんが、雪に関しては天気予報である程度の予測はできます。
降りそうだったら乗らない、別の交通機関を利用するなどと言った対策も防衛運転法です。
自分の能力に応じた運転
免許を取ってすぐに出掛けるのは悪いことではありません。しかし判断力もままならないまま難易度の高い商業地区や首都高を走るのは禁物です。
一方で「いや、自分ならいける!」と言った根拠のない過信も恥ずかしいですね。
いい加減免許を取れる歳なのですから戦隊ものやマンガの主人公になったかのような特殊能力マンぶるのは痛々しいのでやめた方がいいです。
自分ならいける!と思っても他人には「どう?運転上手いでしょ?」って言わないですよね。
それは本音を言われてショックを受けるのが嫌だからです。自身の能力をしっかりと判断することが出来てこその運転であることを肝に命じましょう。
ここでは以上の3つを代表例として記載していますが、もちろんこれだけではありません。
様々な環境化で柔軟に判断ができてこその防衛運転です。これらを身に付けるにはとにかく経験しかありませんので、運転を怖がるだけでなく、練習をすることの大切さも養って頂きたいと思います。